遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

マスクとイヤホンと帽子

人に会いたくなくても外出しなくてはならない時、
マスクとイヤホンと帽子は私の必須アイテムです。

これは症状の程度によって、マスクとイヤホン、
イヤホンのみ、と変化します。

特に人と比べたことはなかったから、
このことについて深く考えることは長年しなかったですね。

8月まで通院していた精神科のデイナイトケアでも
プログラム以外はいつも音楽を聞いている私に、
話すようになった男の子から指摘されて気づいたというか...。

「Mさんっていつも音楽聴いてるよね?」
「あ、うん」

通常、この流れだと
「音楽好きなんだね〜」
と、なるのですね、大抵は。
好きな音楽ジャンルとかの話題に繋がるときもあるし、
そこで終了ということもありますよね。

けれど通常とは違った流れが!

「けっこう多いよね、そういう人。精神だと特にさ〜対人恐怖的な?」

おぉ〜そうなんだ?! 知らなかった!

本当に彼からそう聞くまで、意識すらしていなかったのですよ。
できないことが増えるたびに、それを克服して行動に移すために、
何故できなくなってしまったのか、その自分が苦手と感じたり辛いと感じるようになったことを
回避するための手段を考えるわけです。

例えば、
満員電車で人と接触することや距離が近すぎることが辛くて苦手になった時からは、
満員電車を避けるために朝5時台の電車に乗って通勤して
会社付近のコーヒーチェーン店で始業時間まで時間を潰すとか。

行きは上り方面は混み合うから一旦始発駅まで下ってから引返して会社に向かったり、
帰りのはその逆で下り方面の空いてる方向の電車で始発駅まで行って引返すとか。

自分だけかな? って思っていましたが、
これって精神に問題を抱えている多くの人たちの一般的な工夫みたいなんです。

体調が悪いときにでも外出しなくちゃならないときに周囲を意識すると固まってしまうから、
何も見ないように意識を外部から遮断して移動していました。
精神科で話すようになったあの男の子から、
イヤホンのことを指摘されるまで気づかなかったけれど、
案外たくさんの人たちがマスクとヘッドホンと帽子の組み合わせで街を歩いているんですね。
ここまで厳重に自分を隠すのって、単なるファッションとは思えないでしょ?

なんだか仲間が大勢いるみたいで、嬉しくなってしまって
外出するのが楽しみになった今日この頃なのです。

そしてデスクワークのお仕事は、マスクをしている人は大勢いますよ。
注意など受けません。
私も具合が悪いときはマスク着用でお仕事をします。
障害を内緒にしたいなら、風邪のふりをしちゃえば良いのです。