遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

昔の我が家の犬たち。

今日は「今までのとこ、これからのこと。」と綴る予定でしたが、
nyoraikunさんの10月29日のブログ記事
「ワンちゃんの動画で1日のストレスを発散する!」を拝読して、
下の楽曲を2曲と、漫画「星守る犬」を思い出したので、ちょっと寄り道です。


まずは【星守る犬

星守る犬』(ほしまもるいぬ)は、村上たかし氏による漫画作品で、
2008年8月5日号から8月19日号の『漫画アクション』に連載されました。
単行本は2巻、『続・星守る犬』で完結しています。
西田敏行さん主演で映画化され、2011年に公開されています。

ja.wikipedia.org


私は2013年9月に、電子書籍のレンタルサイト「Renta!」で無期限レンタルしています。
この作品は私が無期限でレンタルした初作品で、それほどの感銘を受けた漫画です。
この作品は表紙を見ただけで、涙が込み上げてくるほどですから
かなり体調の良いときにしか読みません。


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冒頭のページです。




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ラストに近いページです。




次に【ジョンのうた by 水戸華之介

【ニットキャップマン by ムーンライダーズ

こちらの2曲もかなり切ない歌なので、私は涙なくして聞けません。



【Live】ジョンのうた 水戸華之介



毛ぼうし (ニットキャップマンPV) - 月光下騎士団 (ムーンライダーズ)


こちらはドラマ仕立てになっていて少し長いので、時間のない方はこちらを。



moonriders  【LIVE.2006】




私自身が個人的に犬を飼ったことはありませんが、
生家で犬を飼ったことが四度あります。


思い起こせば歴代の我が家の犬たちは、
いずれも可哀想な子だったように思えます。
最初に我が家を訪れたのは、
ペットショップで購入したヨークシャテリアです。
さくらんぼが好きだったので、
『チェリー』と名付けました。
小学校2年生の頃に飼ったこの犬はとても賢くてお茶目。
問題の多い我が家の癒しのアイドルで、
この子のおかげで笑うことが沢山ありました。
庭で遊ばせていたとき母が目を話した隙に、
いつの間にか抜け出して居なくなってしまいました。
ずいぶん探し回りましたが、見つからなかった。
一年後に近所のおばあさんが飼っているのを発見して、
「返してください」と言いましたが、
おばあさんは「この犬があんたの犬って証拠はないじゃないか?」と強気に言い放ちました。
帰宅した父にその話をして、
父と一緒にJKC発行の血統証明証を持ってそのおばあさんの家に行きました。


一人暮らしの足の悪いおばあさんは
「とても可愛がっている」と悲しそうに呟いたので、
父の判断でチェリーはそのおばあさんに譲ることになりました。
その判断を下した父を、私が恨みがましい目で見たところ、たいへん叱られました。



2匹目は中学生の頃に飼った、スタンダードダックスフンドです。
『ダックス』と名付けたそのゴールドのダックスフンド
なかなか間抜けな子で、そのおとぼけっぷりが笑いを誘いました。
ダックスフンドを散歩させているとカッコ悪い気がして、
私はこの子を散歩に連れて行くのが嫌で仕方なかったことを思い出します。
「白い子犬」が良かったな、などと少女趣味的に思ったりしました。


酔っ払って帰宅した父が庭でダックスを投げつけたところ、
(この話はダックスが居なくなった後に父から聞いたので、何故そんなことをしたのかは不明です。)
キャンキャンと鳴きながら脱走したまま帰ってくることはありませんでした。
夜中に犬の遠吠えを聞くたびに、
野良犬たち群の中で自由に走り回っているダックスの姿を思い浮かべたものです。


3匹目は私が一つ目の高校生を中途退学したの頃、
暗い顔をして何も話さなくなった私をドライブに誘い出した父が、
「おぅ、オマエ犬を飼いたがってたろ? 今からペットショップにでも行くか?」
と言い出しました。
私は目を輝かせて「いいの?」と問いました。
父は黙って頷くと、そのままペットショップに車を走らせました。


ガラス張りの、小さく区切られた箱のような中で、元気に遊ぶ沢山の子犬たち。
その中にぐっすりと眠る一匹のブラック&タンのミニチュアダックスフンド
その子に私の目が釘付けになりました。
その様子を見ていた父がペットショップ店員を呼び、
その子を出すように言いつけました。
ショップ店員のお姉さんは大事そうにその子を出してきて、
私の手に渡しました。
体重を全く感じさせない小さな命が、
私の両手の中に暖かさを伝えてきました。


その子は初めての私の犬で、私の部屋で飼うことになりました。
一緒に遊んでいると、突然部屋へ入ってきた母が喚き始めました。
「なに? その犬? お父さんとコソコソやってると思ったら!
犬をベッドにあげるなんて汚い! 早く返してきてよ!」
その後、ギャーギャーとヒステリックに騒ぎ立てる母に辟易した父は、
「悪かったな」と言い残してその子を私の部屋から連れて行きました。
まだ名付ける前のことでした。
本来、返品はしないというペットショップに、
「返金はいいから」と無理やり返して来たそうです。


4匹目は私が家を出てから飼った、白いマルチーズです。
ラッキーと名付けられていました。
この子が一番、惨めな生涯だったのではないでしょうか。


この子を私は嫌いでした。
離婚して一時的に実家に戻った私を、
自分より下の存在と見傚して憎たらしい態度を取っていました。
母の前では可愛らしく振る舞う媚び方と、
私一人の時に見せる太々しい態度の豹変ぶりには腹が立ったものです。


私が再び生家を出て一人暮らしをしている時、
妹が一人目の子供を産みました。
母は可愛い次女が産んだ初孫が可愛くて、
ラッキーには見向きもしなくなっていたようです。
極たまに生家に帰ると我が物顔で威張っていたラッキーは、
四畳半程度の部屋に閉じ込められて忘れらてた存在のようになっていました。
母に「どうしてこんな部屋に閉じ込めておくの?」と私が聞くと、
母は「H美が犬は赤ちゃんには汚いって言うから...ラッキーを出しておくとH美はSちゃんを連れて来ないって言うんだもん」
と事も無げに言いました。


それから一年ほど経ったある日、久しぶりに実家へ帰った私は、
ラッキーがその犬部屋で死んでいるのを発見しました。
ペットフード用の容器は疎か、飲み水用の容器までも空っぽでした。
私は母を呼ばって、言いました。
「ラッキーが死んでるじゃない!餌も空だし、お水だって...!」
母は「あら?ホントだ」の一言で済ませてしまいました。
私はラッキーの、硬くなり冷たくなった姿を見て、
自分を見ているように思えて泣きました。


以上が、我が家で飼った4匹の犬たちです。


ラッキー以外の我が家から離れた3匹は、
きっと幸せな生涯を遂げたと信じたいです。
『ラッキー』と名付けられたその子があまりにも不憫で、
生前は嫌いだったこの子を私はたまに思い出します。


ラッキーは虹の橋で誰かを待っているのでしょうか。
誰も来てくれなかったらあんまりなので、私が迎えに行こうかな?
ラッキーは迎えに来たのが私でも、喜んでくれるのかな?