遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

優先席は誰のもの?

今朝はドロドロのデトックスブログを更新するつもり満々だったのだけれど、
皆様のブログを拝読していたら溜まっていた毒素がどこかへ消えてしまった模様♪


感謝感謝です!


3月6日に更新した当ブログ記事に、下記コメントをしてくださった leica13579 さん。
コメントを拝読して記事を書きたくなった旨、私からお願いしたところ、ご快諾いただいた。

id:leica13579

昔通勤していた時、風邪で熱がありそれをおしての出勤で席に座っていたら、途中でおばあさんが乗ってきました。僕はその時38度くらいの熱でふらふらしていたので、そのままぐったりと座っていたら、となりのおじいさんに「何で席を譲らないんだ!みてわかるだろう!」と怒られ、やむなく席を譲ったことがあります。結局その日は早退するほどひどかったのですが「見えない障害」はキツイなあ、と思いました。その後まさか自分が本当に「心の病」になるとはその時は思いもよらず…。あの時の正義ぶったおじいさんよ、人に怒鳴れるぐらい元気ならあなたが譲ればよかったのでは? と思ってしまうくらいの出来事だったので、鮮明に覚えています…
ちなみに基本、優先席はあいていてもそこにはまず座らない自分です(;^_^A

leica13579さんは、下記の当記事にコメントしてくださった。

r-elle.hatenablog.com


人によって「優先席」の解釈に大きな違いがあるなぁって、案外多くの人が感じているのじゃないかな?
検索ワードに「優先席」とググっただけでも約 54,500,000 件のサイトがヒットした。

とりあえずは、お馴染みWikipediaから。

優先席(ゆうせんせき)とは、鉄道車両やバスなどに設置されている、高齢者・障害者・体調不良者・妊婦・乳幼児連れ(ベビーカー含む)などを、椅子への着席を優先・もしくは促す座席である。
優先席 - Wikipedia

日本の鉄道事業者によっては、駅ホームドアや床面に優先席のマークが表示されており、優先席に乗りやすい配慮がしてある。最近では優先席とベビーカーマークが一緒になっている車両も多く、ベビーカーを畳まずに乗車しても周りの迷惑にならずにすむようになっている。

近畿地方では優先座席(ゆうせんざせき)やシルバーシートの呼称を使う事業者もある。また、札幌市交通局では「専用席」、京王電鉄では愛称として「おもいやりぞーん」、伊予鉄道では「おもいやりゾーン」を使用している。
優先席 - Wikipedia>日本における優先席 より

日本で本格的に行われたのは、1973年(昭和48年)9月15日(当時の敬老の日)より旧・日本国有鉄道国鉄)によりシルバーシート和製英語: silver seat)の名称で、中央線快速を始めとして東京・大阪の国電区間に順次導入され始めた。
優先席 - Wikipedia>歴史 より

シルバーシートの名前を付与したのは、国鉄で設定した当初、高齢者を対象にし、他の座席と区別するため、本社旅客局営業課長だった須田寛(現・JR東海相談役)が座席の色を変えること提案したが、当時の国鉄は赤字で、大量の座席シートを替える為のお金の捻出が困難な状況であったため、在庫を探しての決定で、浜松工場に在庫があった新幹線0系電車の座席に使うシルバーグレー色の予備布地を利用してシートを設定したことからといわれる。
優先席 - Wikipedia>歴史 より

1990年代後半からは、利用対象を高齢者や身体障害者以外にも、怪我人・妊婦・乳幼児連れなど、一時的に何らかの障害を持つ人に拡大するため、高齢者専用を思わせる「シルバーシート」という名称から、各鉄道・バス事業者とも「優先席」もしくは「優先座席」への変更が進んだ。また、関東の大手私鉄などを中心に優先席付近のつり革をオレンジ色にするなど、つり革や床の色を変えている事業者もある。
優先席 - Wikipedia>歴史 より

2012年(平成24年)10月26日 - 東京都が日本グラフィックデザイナー協会の協力を受け、「ヘルプマーク」を制定(外見では分かりづらい義足・人工関節の人、内部障害を持つ人、妊娠初期の人などを対象)。都営地下鉄大江戸線の優先席にステッカー標示を導入。自身も人工股関節を使用している都議会議員による、同年3月の都議会予算特別委員会での提言がきっかけという。
優先席 - Wikipedia>年表 より

上記から、1973年(昭和48年)9月15日に日本国有鉄道により実施された高齢者を対象とした「シルバーシート」は、1990年代後半から利用対象を高齢者や身体障害者以外にも、怪我人・妊婦・乳幼児連れなど、一時的に何らかの障害を持つ人に拡大し、「優先席」もしくは「優先座席」へと変更されている。

2012年(平成24年)10月26日からは「ヘルプマーク」も制定されて、更に優先席の対象が拡大している。

この拡大の認知度が低いために、優先席付近での摩擦が生まれるのだろう。
現在の高齢者の一部にとっては、「優先席」はかつての「シルバーシート」のまま、『お年寄りのための特別席』という認識が未だに強く残っていると思われる。
それにしても「お年寄りを大切にしたい」という思いは、決して悪いことではない。
むしろ心優しい行為だ。
優先席でなくとも目の前に高齢者や妊婦身体障害を持つ人が立ったら、私なら大抵は席を譲る。
それでも体調不良や疲れている時などは、知らん顔をすることだって大いにある。


対人恐怖を持つ私にとっての満員電車での苦痛は、当事者にしか理解できない。これを回避するために私は1時間でも、場合によっては2時間でも多く時間を要しても、座席を確保するために遠回りすることが多々ある。そんな時にお年寄りが目の前に立ったとしても、そう簡単には譲る気にならない。
「あー、もー、最近のお年寄りは元気だしね、こんな混雑した時間に電車に乗るのは元気な証拠。どうしても座りたかったら優先席付近にご移動ヨロシク!」と寝たふりをすることは少なくない。
昨日もまさにそうだった。


そしてコメントをしてくださった leica13579 さん同様、私も基本的には優先席には座らない。優先席に対する敷居が高い、というか...どちらかというとトラウマと言えるだろう。


leica13579 さんが通勤時に優先席に座っていらしたのは、高熱による体調不良の時だ。つまり優先席利用対象であるし、考えようによっちゃ「一時的に何らかの障害を持つ人」にあたる。
問題なのは「高熱による体調不良」は他者から見ただけでは、ほぼほぼ分からないということだ。
【私は現在、高熱があり、体調不良です。つまり一時的に何らかの障害を持つ人に該当します】など書かれた、大きなプレートでも首からぶら下げていれば一目瞭然だろうが、そんなことをしている人は見たことがない。
当事者を熱心に観察すれば、他者からでも体調不良も分からなくはないだろうが、それほど深く他人を観察する人も多くはいないだろう。


体調不良の leica13579 さんが、元気な高齢者から受けた「何で席を譲らないんだ!みてわかるだろう!」攻撃は、世間ではそう珍しいことではないだろう。
私も同じような攻撃を受けたことがあるため以来、優先席恐怖症となって滅多にこの席には近寄らないようにしている。


その経験はこうだ。悲しみが強く出てしまって涙が止まらなくなった(実際にこれは私の日常でそう少なくない)上に、対人恐怖が強く出たある日のこと。人に泣いていると悟られたくないし、また人前で泣くことを見知らぬ人に怪訝に思われたくもない。精神障害者であれば泣いていても世間もそれほど違和感を覚えないと思った私は、普段は隠し持っている「ヘルプマーク」をバッグのハンドル部分に取り付けて優先席へ移動した。
遠回りをして空いている車内は、途中駅でどんどん混み合って行く。
そして件の老人(おばあさん)が登場。
「ちょっとアンタ!年寄りに席を譲るように教育を受けていないのかいっ?」
泣いている顔を見られたくない私は、顔を伏せたままヘルプマークを見せた。
「なんだい?そりゃ?」と、おばあさん。
「ヘルプマークです」と、ボソッと私。
「え?聞こえないよっ?」と怒鳴るおばあさん。
私は諦めて席を立ち、次の停車駅で降りて、涙が止まるまでホームのベンチで過ごした。
以来、優先席は私にとっては近寄りがたき、恐るべき場所となった。
かつヘルプマークを持ち歩くこともやめた。


杖を付いていても、どうしても座りたい時以外は普通席付近に立っている。ここであれば「譲りたい・譲ろう」と思う人が率先して譲ってくれるし、疲れていたり体調不良の人であれば譲る必要もないのだから、とても気楽にして居られるのだ。


「優先席 体調不良」でググってみたところ、こんな記事を発見した。

体調を崩し、電車の優先席に座った10代女性に対し、「厚かましい」などと非難した高齢男性の行為がネット上で物議を醸している。

それは先週8月31日(2019)、都営三田線で起きた。生理初日で生理痛が重く、立っていられなかった女性は、目の前に止まった車両に入り、一番端にあった優先席に腰を下ろした。女性によると、隣に座っていた高齢男性は女性が薬を飲む様子をじっと見て何か言いたげだったと言うが、無言でタブレットを操作し出したという。

小倉智昭「時が時だけにあえて消した。この男がやったことは最低」
男性の行動を気にしていなかった女性だが、タブレットを斜めにして向けられた画面を見て目を疑った。表示されていたのは、「高齢者の僕が座る優先席に若い女も座る。厚かましさに程がある。立てよと言いたいけど、逆ギレしそう。てゆうか顔は日本人だけど、〓〓〓だと思う。最悪」というSNSの投稿画面だったのだ。
体調を崩したため優先席に座っていた女性を非難 高齢男性の行為が物議 - ライブドアニュース


高齢者...恐るべし...。高齢者への道を着々と進む56歳の私ではあるが、こんな高齢者にだけはなりたくない!気をつけねば!!

こんな記事も...。

www.j-cast.com





そして実は優先席に近寄らない原因が、私には他にもある。白黒思考の私にとって、混雑時の優先席でスマホを操作している人に我慢がならないのだ。
このイライラたるや、他者との境界線がしっかりと引けている人にとっては皆目見当がつかない苛つきだと思われる。
ルールやマナーを守るのは当人の問題であるのだから、守りたい人が確りと守っていれば他者がどうしようが、他人がカッカすることではない。
実際に他者のすることで、穏やかにでも注意をしようものなら、大変な事態になることを想像しなければならない世の中だ。下手をしたら、殺されかねない。危なすぎる...。


56歳になる私の意識は古く、「優先席付近では電源オフ」という思いが未だに強く残ってしまっている。よって若い人たちなら「混雑していなければ優先席でのスマホもOK、けど混雑時ってなんなのさ?電源オフのタイミングもイマイチ分からないし、周りがオフったらでイイかな?」的なラフな考え方が難しいのだ。
これだから年寄りは嫌われるのだろう。

  • 2000年8月21日 - 京王電鉄が優先席を1両あたり2か所に増設、優先席付近での携帯電話の電源オフなどのルールを実施
  • 2003年(平成15年)9月15日 - 関東地方の鉄道16社局で京王電鉄と同様の統一ルールを実施し、同様の優先席増設を行った。京王のほか小田急電鉄も先行して実施していた。また、東京急行電鉄は携帯電話の電源オフのルールを上記の阪急電鉄と同様に車両ごと(東急では偶数号車が電源オフ)としていたが、この頃に優先席付近へと変更した。

9月22日 - 京阪電気鉄道が首都圏以外では初めて上記の京王方式を採用。
12月1日 - 横浜市営地下鉄がすべての座席を「優先座席」とし、全車両を携帯電話電源オフとした。

  • 2007年(平成19年)10月29日 - 阪急電鉄能勢電鉄神戸電鉄が「優先座席」を再設定(ただし、携帯電話電源オフ車両以外の車両の優先座席では携帯電話の使用はOKとされた)。


2014年(平成26年)7月1日 - JR西日本京阪神エリア)など近畿地方の鉄道25社局が優先席付近の携帯電話の電源オフを混雑時のみに限定した。

  • 2015年(平成27年)10月1日 - JR東日本など東日本(北海道を除く)の鉄道37社局が優先席付近の携帯電話の電源オフを混雑時のみに限定した。なお、相模鉄道は「混雑時」の定義を「乗客同士の体が触れ合う程度に混雑している場合」としている。

12月1日 - JR東海など東海地方の鉄道4社局とJR九州など九州地方の鉄道11社局が優先席付近の携帯電話の電源オフを混雑時のみに限定した。
10~12月 - 京王電鉄バス西東京バス相鉄バス名古屋市営バスなど一部のバス事業者も優先席付近の携帯電話の電源オフを混雑時のみに限定した。相鉄バスの「混雑時」の定義は親会社の相模鉄道と同じ。

  • 2016年(平成28年)3月26日 - JR北海道が優先席付近の携帯電話の電源オフを混雑時のみに限定した。

4月1日 - JR西日本(全エリア)が優先席付近の携帯電話の電源オフを混雑時のみに限定した。なお、JR西日本のうち京阪神エリアでは2014年7月1日に先行して実施していたが、これでJR西日本の全エリアでの実施となった。

優先席 - Wikipedia>年表 より

染み付いた認識も、時と共にアップデートしていかないと時代に取り残されてしまう。


それにしても私の本音としては、いつの時代にも変わらずにありたいのはルールよりもマナー。
そして思いやりの心だ。
疲れてヘトヘトになっていたりして、心に余裕がなくなってしまうと、持ち続けるのが難しいのだけれど。









ついでと言ってはなんですが...。


ja.wikipedia.org