遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

真夜中の夢。

真夜中に夢を見て、目が覚めた。
子供の頃の夢だ。


父と母と私で、外の景色を眺めていた。
旅先だろうか?
窓から遠くに富士山が見える。
夕焼けに照らされて赤く輝いている。


「綺麗だね」
と、母が言う。
『綺麗だなぁ』
と、私も思う。


優しいときの母。
私はとても満ち足りた、幸せな気分になる。


母がお酒を飲み始める。
私は少しだけドキドキする。


母が父に「Y美が布団を干してくれない」
と、愚痴っている。
少しだけ離れた場所へ座っている私は
「膝が痛いから2階には干しに上がれない」
と、言い訳をする。
「1階で良ければ干せるから」
と、おどおどと重ねて言う。


母が「2階でなければいけない」
と、きつめの口調で言い放つ。
私が「お母さんは私にばかり言う」
と、愚痴る。
父も「そうだなH美にも頼めば良いだろう」
と、私を擁護する。
私も「そうだよH美にも言えば良いのに」
と、父に加勢する。
母が「お父さんはY美の肩ばかり持つ!」
と、ヒステリックにわめき始める。


私はひやひやし始める。


『お母さんがこれ以上喚きませんように』
と、祈る。
『お父さんが怒り出しませんように』
と、祈る。
『お父さんがお母さんを殴りませんように』
と、祈る。


何故か母が父を蹴っている。
こんな展開は初めてだ。
どうしたことだろう?


私は父を庇う。
庇って母を振り払う。
『お母さん、やめて!』


叫んだ途端に目が覚めた。
涙がポロポロと流れて、止まらない。
夢だと分かっているのに…悲しくて苦しくて、やりきれない…。