遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

無能であるが故の、あまりにも悲しい選択。

昨日は12時で、職場を早退してしまった。
例のちょこっと発達障害っぽい女の子の退職が決定したとのことで、件の愚痴オバちゃんとペアで行う業務を平常心で乗り切ることに限界を感じてしまったから。
この人は前々回の職場で派遣切りにあったらしく、自分が生き残るために人を蹴落とそうと必死な様子があからさま過ぎて、一緒にいると気が滅入る。


失敗も平気で誤魔化そうとするから、昨日はExcelのフォーマットを崩してしまって、その修復作業に余計な時間がかかった。
新人育成担当の職員の方が崩れたフォーマットを修復しているその作業を覗き込む私を、まるで犬でも追い払うように愚痴オバちゃんが無言のまま手で追い払う仕草をしたときには、ムッときて「ほんとうに嫌い」と思わず口から出てしまった。
その後も彼女の放出する対抗心や負けん気の強さにウンザリしてしまって、ペアでの作業最終日である昨日を乗り切ることは耐え難いと判断してしまった。
私の辛辣がいよいよ表面化しそうだったから、体調不良を言い訳に「早退したい」と担当職員に申し出た。
隣で聞いていた愚痴オバちゃんは口先では「大丈夫?」と心配を装ったけれど、ライバルが早退することへの喜びが表情や声色に出てしまうから、その浅はかさにはこれまたウンザリした。


他者の影響で勤怠が悪くなるのって実に馬鹿らしいけれど、慣れない職場で「嫌いなタイプにキツイ態度をとってしまう」よりは、周囲への影響は少ないだろう。


勤務初日に愚痴オバちゃん本人から自慢話のように聞かされたのは、同じ派遣会社から派遣された前職で気に入らない同僚を退職に追い込むために数名の派遣社員と結託して、その同僚の仕事への意欲のなさや勤務態度の悪さをクライアントに訴え続けたという話。
それって派遣社員がクライアントにすること?
聞かされたときには呆れてしまって、「私はそういうのには加わらないなぁ」とハッキリと言ってしまった。
尚も「だって皆は一生懸命作業しているのに、その子だけ一日中ボーッとして何もしないんだよ?」と、彼女は食い下がる。
「勤怠はクライアントが管理してるんだから、派遣社員がどうこういうことじゃないんじゃない?」と私。
「だって目の前でサボられてたら頭にくるじゃん」
「人の仕事をチェックしてる暇があったら、自分のすべき仕事をしていればいいでしょ?」
「いや!そんなの許せない!」
「…」


なんの実力も能力もない愚痴オバちゃんが、他者を評価してクライアントに報告する。
これを全くもって可笑しな行為と感じている、私の方が可笑しいのか?
この数日間の彼女の言動や行動を観察していて、同僚を陥れるように先導するのはまさにこの人だろうと推測する。
派遣元でも彼女のそういった習性は把握しているらしく、先だって担当営業に愚痴オバちゃんの愚痴をぶちまけた時にも、「これからも感じることがあったら何でも報告してください」と事前に言われていた。


世の中には結婚したくないから結婚をしない人と、結婚したくても結婚できない人がいる。
愚痴オバちゃんはまさに後者で、一人で生き抜くには手段を選んじゃいられないという崖っぷちの立場は気の毒ではあるけれど、なんとも意地悪な姑息さの染み付いたその顔を見るにつけ、唯々辟易してしまうのよね。


希望として「兎に角、私としては彼女から離れらさえすれば…週明けには新人としてのペアは解消されるらしいですから」と電話口で営業担当に伝えると、「うーん…それだけだとクライアント側に迷惑がかかる可能性がありますよね?」と返ってきた。
「…確かにいずれ彼女が誰かしら他のターゲットを見つけ出して、陥れるために周りの人たちを先導する可能性はありますよね?」と私。
「一体なんの為にそんなことをするんですかね?」
「うーん…自分が残りたいからじゃないです?」
「皆で助け合った方が仕事も捗るから、結果的に自分も楽なのに…」
「ほんと、その通りですよね…全く意味不明ですよ…」


無能であるが故の、生き残るために残された選択肢が他者を陥れること。
なんとも悲しい選択に、言葉が出ない。