遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

我が家のスタンダード。

うーん...


なんてか、
相談は速攻で終了。


何故か?


私「聞いて、聞いて」
夫「ん?」
私「精神保健福祉モデルはダメだったよ。他のモデルならイイみたいけど」
夫「ふーん、じゃあ他のにすれば?」
私「他じゃ意味ないでしょ?」
夫「なんで?」
私「精神保健福祉士の資格が欲しいのに他のモデルじゃ意味なくない?」
夫「そうなの?」
私「え?だって他の資格はオープンダイアローグには役立たないから」
夫「ん?」
...私の心の声(あーぁ、前にオープンダイアローグの話したこと、覚えてないな、この人...説明をもう一度するのはなんかイヤだな、たいして聞いてないし)
私「大卒の資格は取りたいには取りたいけどね、そのためだけに学費を出したくない。学費が勿体ないから」
夫「ふーむ」
私「あれ?今のあれ?逆に勿体ないって思った? 今までかかった学費」
夫「あぁ」
私「けどもう他のモデルは断ったし」
夫は無言のまま、怪訝な顔で私を見る。
私「今までの学費が勿体ない?」
夫は無言まま頷く。
私「確かに、そうだよね。けど、無駄ではなかったよ?」
夫、無言で先を促す。
私「あのね、だって私半年で16単位取得できたんだよ?初めてだもん。なんかさ、少し自信がついた」
「ん」
私「またイチから始めなきゃだけど、私、次も頑張れるよ?」
夫、黙って頷く。
私「勉強が楽しいって思えたのは小学生のとき以来だからね。けれど、それも精神保健福祉士の資格がその先にあったから。目的が明確だったからだと思う」
「ん」
私「頑張れたのも目標に向かってたから。その目標を思い浮かべながら頑張れたんだ」
夫「ん、自分で決めたらイイ」
私「そうする!ありがとう」
夫、テレビをつけて観始める。
私「あれ?慰めてくれなの?」
夫、テレビから目を離さなずに音量をあげる。
私「頑張ったからね、私ガッカリしてるんだよ、実は。そう見えないかもだけど。慰めてくれないの?」
夫、ちょっと優しい顔で無言のまま、コクコクと何度も頷く。
私「それ、慰めてくれてる?」
夫、小刻みに何度も頷く。視線はテレビのまま。
私「ありがと」


なんか、こうやって書き出して見ると、ちょっと涙が滲んでしまう。
嬉しい涙だよ。
夫は不器用だから上手いことが言えない。
それを分かるようになって、余計なことを言わなくなった私自身にも嬉しい。


こうやって夫婦になっていくのだろう。
2001年の夫の誕生日に入籍して18年経った。
いろんなことがあったな。
たくさん喧嘩して、仲良くなったり、ちょっと遠くなったり。


鈴ちゃんが旅立って、二人の共通の笑いがなくなって、
夫の口癖は「鈴ちゃんの墓参りに行かなきゃな」だ。
「どうせ口だけじゃん」と私が答える。


「鈴ちゃん、どうしてるかな?」と私が言う。
「死んでんだろ」と夫が素っ気なく言う。
「虹の橋で待ってるわぃ」と私が突っ込む。


「鈴ちゃん、どうしてるとやろ?」と夫が呟く。
「死んでるわぃ」と私が即答する。
「あれ?虹の橋にいるんじゃないの?」と夫が聞く。
「あーそうだね...虹の橋で何してるかな?」と私が独り言ちる。
夫は黙ったまま、明後日の方向を眺めて煙草を吹かす。
「鈴ちゃんはあれだね、ずっと外に出してもらえなくて友達がいなかったからさ、今頃大勢の友達ができて一緒に走り回ってるよ、きっと」。


ブログに夢中になってる私を気にせず、夫は一人で遅い昼食を取っている。
人の邪魔はせずに、自分のことは自分でしてくれる人だ。


これが私たちにとって無理のない関係だろう。
我が家のスタンダード。
私たちの形だ。