遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

感情を感じて、痛みを受け入れる。

久しぶりに夢を見た。
そしてまた久しぶりに、泣きながら目が覚めた。


幼い頃から理不尽なことが多くて、その理不尽を自らに納得させるために、子供ながらにいくつもの理由や意味を考えたものだ。


「母が私にきつく当たるのは、父から愛されない悲しみが原因でお酒を飲んでしまうから。お酒を飲まなければ母は優しい人。可哀想な人」


「父が厳しくて怖いのは、母が家事もせずにお酒を飲んで暴言を吐くから。実母に捨てられた寂しさのある父は常に母性を求めているから、外に女性を作ってしまう。本当は真面目で優しい人」


「妹が負けず嫌いで自己中心的なのは、本来生まれてこない子、母のお腹の中にいた時に父から堕胎するよう言われたことを知ってしまったから。父が無条件に姉(私)を可愛がるのが悔しくて、自分の方が愛されるよう頑張っている努力家」


家族の誰からもその本心を聞いたことはなかったけれど、自分を納得させるためにそう思うようになっていた。


今朝見た夢の中の私は、まだ子供だった。意地悪をするでもない普通にしている妹とただ一緒にいるだけなのに、悲しくて涙が止まらない。涙を流し続ける私に、父が「どうした?」と聞く。私は何も言わずにただ泣き続ける。
父が妹を連れて部屋から出て行く。一人になった私は何故だか安心して、思う存分悲しみを味わうために声を出して泣き始めた。
「うわーん」と声をあげて、子供らしく泣きに泣いた。


泣きながら目覚めたけれど、とてもすっきりとした気分だった。
心の中にぽかりと空白はあるのだけれど、私の中で詰まっていた一つの悲しみが無くなったようだ。


これは「ダメ人間のおわり」の第7章にある「本当の感情を出して、痛みを受け入れた」ことの作用なのかも知れない。


こうやって少しずつ、子供の頃から抑えてきた感情をきちんと感じて、表現して、心の痛みと向き合っていく。
幼少期の抑圧によって生まれたモンスターを、少しずつ解放する。
きっと私の中には巨大なモンスターがわらわらと潜んでいるから、全てを解放するには長い時間がかかるだろう。
解放することによって今朝のような開放感を味わえるのならば、どれだけ時間がかかろうと、どんなに苦しい気持ちになろうと、私はこの作業をコツコツと続けられるだろう。


いつか全てのモンスターを解放して、本当の自由が訪れる日を楽しみにしながらこの地道な取り組みを続けていこう。