遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

「HSP・繊細な人が苦しみを楽にして自分らしく生きる方法」西川芳宏著を読み終えて。

「ダメ人間の終わり」に引き続いて、西川佳宏氏の「HSP・繊細な人が苦しみを楽にして自分らしく生きる方法」を読了した。


r-elle.hatenablog.com


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本書は「はじめに」の序章から始まり、以下の5章からなる。
【第1章】心の基本原則
【第2章】スピリチュアルの捉え方
【第3章】苦しみを楽にするヒント
【第4章】心のプログラムを緩める捉え方
【第5章】ハートを見つける
この後に「おまけ」と題された章と「おわりに」の後序で終わる。

前回の「ダメ人間の終わり」は幼い頃から悩み模索し続けた私が、既に気付いて自分なりの答えを見つけ出してはいるが、どこか迷いがあって確信が持てないこと、それら迷いを払拭し、確信へと導いてくれた書であった。
また読んでいる最中に、現実とのリンクがあり、驚きを感じもした。
言ってみれば、出会うべくして出会った運命の書である。


そして「ダメ人間の終わり」を読み終えはしたが、こちらで紹介しているワークを実践したわけではない状況下で、次に進むのは如何なものかと思いつつ、Kindle Unlimited の199円期間が3月3日で切れることを考慮して読み始めたのが本書である。


結論を言うと本書は、私にとっては読んで良かったと心から思える一冊だ。
興味の対象となるものの情報を事前に入れてしまうと途端に興味を失ってしまうことが、私には多々ある。そのため大抵の場合は下調べなどをせずに、「したい」と思ったことをなるべく早く、興味が色あせないうちに行動に移すようにしている。今回も著者である西川芳宏氏について事前に調べもせず、まずは読み始めた。
そして読了後、西川氏のHP『心理カウンセリング・コンパス』やブログの存在を知り、メルマガ登録も済ませた。


本ブログ記事は若干長くなったため、目次を設置する。



西川芳宏氏HP『心理カウンセリング・コンパス』から、本書の紹介を引用

2019/09/12 に出版されてた本書と「ダメ人間の終わり」の紹介を、西川氏ご自身が『心理カウンセリング・コンパス』内で【本2冊「自分らしく生きる方法」「ダメ人間の終わり」出版しました!】で、以下のように綴っておられる。

selfcompass.jp

HSP・繊細な人が苦しみを楽にして自分らしく生きる方法」です。
HSP(繊細な人)や他人軸の人向けに書きましたが、心の仕組みはどなたでも参考になりますので、ぜひお読みください。


「ダメ人間から抜け出すためにがんばってきたのにダメだった」
「がんばっても報われなかった」
「がんばったのにむしろ悪くなった」

そういう方はぜひ読んでほしいと思います。


と、ある。

また同ページの【本出版の経緯】にある、2017年7月に出版された「本当は傷つきやすい人たちへ」については、以下の通り紹介なさっている。

読むだけで心が楽になる本が書きたいなと思い、本を書き始めました。
実際には読むだけで心が楽になるというのはかなり難しくて、本を読んでその場はスッキリしても、大きな改善には結びつかないものです。

読むだけでビリーフ(本では「心のプログラム」と呼んでいます)が緩めば少しでも楽になれるはず!と思って、ビリーフを緩めるヒントになる本を書きました。


出版順や読みやすさから考えて読み進めるのであれば、「本当は傷つきやすい人たちへ」→「HSP・繊細な人が苦しみを楽にして自分らしく生きる方法」→「ダメ人間の終わり」となるのかもしれない。
最初に出版された「本当は傷つきやすい人たちへ」は未読のまま、「ダメ人間の終わり」〜本書へと読み進めた私。けれどこの感覚的な順番は、私には適していたと考える。


「ダメ人間の終わり」について同ページに、こうある。

自分を「ダメ人間」と責めやすい方、責めたことがある方のために書きました。

「自分をダメ人間と思うことがなくなる!」という意味で「ダメ人間の終わり」というタイトルにしました。

文章は読みやすく書いたつもりですが、内容はもしかしたら理解するのに時間がかかるかもしれません。



一般的に理解に時間がかかるものの方が、私自身は強く心惹かれることが多い。
すぐに解ってしまうと共感だけで終わってしまうから、興味が継続しないのだ。
そのときに感銘を受けても、すぐに忘れて興味の対象が別のものに移ってしまう。
飽きっぽいのだ。
その点「ダメ人間の終わり」は、この強烈なタイトルに加え、長く自身を「ダメ人間」と定義していた私には実にときめく書であった。
この書を読み終えた今だからこそ、選択した私自身の感覚を自ら認め、自らでそれを賛称しよう。


私の知る一部の心理カウンセラーたちと、西川芳宏氏の相違点

西川芳宏氏には勿論お会いしたことは疎か、私からコンタクトを取ったこともない。
著書やメルマガ、ブログ、HP等にある誰もが知りうる西川氏のプロフィール、心理カウンセラーであること、いくつかの考察を知るのみだ。


幾人かの心理カウンセラーに過去、私は出会っている。そのうち実際に私が心理カウンセリングを受けたのは、一人の女性心理士による30分のカウンセリングを3回のみ、だ。
このカウンセリングは私にとって、全く意味のない1時間半だった。
無意味と感じた第一の原因は、このカウンセラーの外見が私の好みではなかったことにあるだろう。
彼女は同年輩のオバちゃんで、優しげではあるけれど、どことなく貧相だったのだ。
卑屈さが、その顔や言動に滲み出ていた。
加えてファッションセンスも私好みではなくて、実に安っぽい。


知人の心理カウンセラーから、心理士で高収入を得られるのは一握りだとは聞いてはいる。
かつかつ食べていければ、まだ良い方だとも...。
それでも他人からお金を取ってカウンセリングをするのだから、身なりには気を使った方が良いのではないかと私は思う。
あまりにも貧乏くさいと、高いカウンセリング料金を払う気持ちが失せてしまう。
大丈夫なの?この人...他に依頼がこないんじゃない?と不安になるばかりだ。
人と対面で接する、しかも他人の人生を導く仕事を選んだのだから、何を我慢しても外見を整えるための出費は惜しまずにいてほしい。
ただしボランティアで人のためのみを思って、無償で癒しを施していらっしゃるような方は、この限りではない。


私が知る複数名の心理士資格取得者は「教えたい」「導きたい」の表現方法がどうにも上から目線で、「主導権を握って、他人を操作したい」という本性が垣間見えて、なんだか距離を起きたくなる。
出会った当初は奥ゆかしくて遠慮気味な彼らは話すうちに押し付けが強くなり、会話中に不要とも思える言葉や言い回しの置き換えを何度も何度もする。正確に理解するために、ある程度の言葉の変換は必要とも思えるが、あまりにも執拗だと良い印象はしないということに彼らは気づかないのだろうか?


人の表面的な不愉快すら理解できずして、他人の深層心理を探ることが果たして彼らにできるのだろうか?
信用のおけない不快すら感じる他人に、心の奥の闇に繋がる重要な出来事や思いを、打ち明ける人が果たしてどれくらい存在するのだろうか?
それだからこそ彼らは食べるに値しない収入しか得られないのだろうけれど、それにしてもこの人たちは自己承認欲求と自己顕示欲のためだけに心理士の道を選んだのではないかと偏見を持ってしまう。


けれど西川芳宏氏の文章からは、全くこの「上から目線の操作性」が感じられない。
ご本人にお会いしたこともない私だけれど、だからこそ単純に純粋に氏の文章から感じるお人柄の良さに心が動く。


本書の序章「はじめに ネガティブなエネルギーと心のプログラム」で西川氏は下記のように述べられている。

私は、クライアントが自らの力で自己肯定感を上げて、心が楽になっていくということを重視しています。人はその力があり、それができないのは、やり方や理屈を知らないだけなので、それをお手伝いするとともに、その人自身の潜在的な力を引き出すサポートをしています。カウンセリングでスーパーマン的な力で癒してしまうと、その場は良いのですが、自己肯定感は育まれず、依存的になってしまい、結果的にはますます弱くなってしまうからです。


HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly sensitive person)とは?

HSPについて、まずはWikipediaから引用する。

ja.wikipedia.org

テッド・ゼフの著書「The Highly Sensitive Person's Companion」による定義では「産まれたときから幼少期に渡り説明のつかない体験を繰り返し、HSPではなく生まれた人より五感が鋭く、精密な中枢神経系を持ち、良い刺激にも、悪い刺激にも強く反応する感受性の強い人達」とされる。
Wikipedia>ハイリー・センシティブ・パーソンより

HSPは病気や障害ではなく、心理学上の概念であり精神医学上の概念ではない。DSMにも指定はされていない。
Wikipedia>ハイリー・センシティブ・パーソンより

HSPは生まれ持った気質であり、生涯、変わることはない。人口の約15~20%を占め、男女によって偏りは見られない。同様の性質は、人間以外にも100種以上の生物にも見られる。
Wikipedia>ハイリー・センシティブ・パーソンより


本書では「とても敏感な人」「敏感すぎる人」「とても繊細な人」と訳されると記されている。

HSP・繊細な人が苦しみを楽にして自分らしく生きる方法」

本書はどのような人に向けて書かれているのか?

  • HSP(敏感すぎる人、とても繊細な人)
  • 感受性が強く傷つきやすい人
  • 他者批判などを受けると心に強く残ってしまう人
  • 優しく思いやりがある人
  • いい人
  • 他人の気遣いをしすぎる人
  • 他人がどう思っているのかが気になってしまう人
  • 他人軸の人
  • 内向的な人
  • 人間関係を築くのが下手な人
  • 押しに弱く、譲ってしまう人
  • 自己主張が難しい人
  • 「ノー」がなかなか言えない人
  • 自分を責めがちな人(「自分のせいだ」と考えがち)
  • 劣等感が強い人(コンプレックスが多い)
  • 完璧主義な人(でもできない人)
  • 損をすることや理不尽な目に遇うことが多い人
  • 頑張ってもなかなか報われない人

以上の人が持ちがちな心のプログラムを挙げたと、この序章で氏は述べられている。
また氏ご自身がまさに過去には上記の人であり、悩み苦しんだとも。

【第1章】心の基本原則

この章ではまず、「物事の捉え方」で心の仕組みを解説。


次の「心のプログラム」では、物事の捉え方の違いを生み出しているものが心のプログラムであるとして、その仕組みと解説。


「心のプログラムができた原因」では、心のプログラムができる例を挙げ解説。
そして「抑圧」から「投影」「抑圧投影の仕組み」へと進む。


その後、「心のプログラムが強くなる理由」「HSPの性質」「恐れ」「愛」「恐れの対処法」についての解説がある。

【第2章】スピリチュアルの捉え方

「スピリチュアルを取り入れるスタンス」では、カウンセリングにスピリチュアルを取り入れていることによって役立つことについて述べ、「この世に生まれた目的」「鏡の法則」「統合」へ。


「女性性と男性性」では、男性性の資質と女性性の資質のいくつかを、具体的に参考として挙げている。


【第3章】苦しみを楽にするヒント

「白黒思考の罠に気づく」では白黒思考の特徴を、「矛盾を許す」では白黒思考が生まれる要因を善悪思考として、それにより生じた矛盾や葛藤を少なくする方法を解いている。


「無意識を意識化する」では、無意識を意識化するためのプログラムやワークの紹介。


「自分責めを止める」では、自分責めや必要以上にへりくだることや謙虚癖の弊害と、それらの癖を止める方法を。


「自分の感じ方を相手に適用しない」では、人を気づかうときの大切なポイント「自分の感じ方と相手の感じ方は違う」という当前のことへの理解を促し、HSPの人は5人に1人、その中でも強い繊細な人はさらに5人に1人として、自分の基準が周囲とはかなり違って特殊であることを認識するよう呼びかけている。


「罪悪感の背景と対処法」では、HSPが罪悪感を持ちやすいこと、その対処法。
どんな自分をも愛すること、「無条件の愛」を自分に向ける重要性を。


【第4章】心のプログラムを緩める捉え方

「自分がされたら嫌なことは人にやってはいけない」
「誠実でなければいけない」
「相手を傷つけてはいけない」
「冷たくしてはいけない」
「自分勝手はいけない」
「人を嫌ってはいけない」
「感情を出してはいけない」
「本音を言ってはいけない
「成果を出さないといけない」
「良い○○でないといけない」
「成長しないといけない」
「幸せになってはいけない」


以上の心のプログラムを緩める捉え方を紹介し、この章の最後に「それでも心のプログラムが緩まない場合」の対処方法を紹介している。


【第5章】ハートを見つける

「ハートとは」は本書の筆者である西川氏がカウンセリングで大事にしているのはもちろん、人生において最も惹かれた『ハート』について語られている。


続く「主体的に生きる」で、更に氏の『ハートで生きる』ことへの思いを、「自己肯定感を高める」では『ハートで生きる』ために欠かせない自己肯定感の高め方を紹介。


「自分の本質とつながる方法」では、自分とつながるための4つの方法を紹介している。


その後「ハートと心のプログラムの違い」について解説し、「ハートがわからないとき」から「ハートの声を聞く方法」へと続いていく。

おまけ 心の傷の処置のやり方

ここでは、抑圧せずに心の傷を対処方法を紹介し、その対処方法をより効率的に行うためのテクニックを2つ紹介している。

おわりに ハートシフトへ

こちらの最終章は、私が本ブログ記事にする内容ではないと思われる。


本書を読み終えたあなたのために、
あなたが読んで、
あなたのハートで、
どうぞ感じてください!