遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

竹を割ったような性格?

転居先が決まって昨日、不動産会社に提出する住民票を区役所に取りに行った。
マイナンバーカードを取得している私だけの住民票なら、コンビニでも取れるんだけどな…。
面倒くさがり屋の夫は、未だマイナンバーカード未取得だ。
スマホから簡単に申請できるから、さっさと済ませてしまえば便利なのに。
転居後、今度こそ申請してもらうつもり。


区役所の後、借りていたトランクルームの荷物の撤去。
そして何よりも楽しみだったのは、トランクルームオーナーのY子さんとお茶する予定。
ちょっとした行き違いがあって、待ち合わせのファミレスですっかりお待たせしてしまった私を、ニコニコと柔和な笑顔が迎えた。
一月ぶりの再開。


私がいうのもなんだが、Y子さんはかなり独特な考えの持ち主。
表現方法もなかなかに独特で、嫌味の応酬に慣れ親しんだ私からすると、
「あれ?これって嫌味?」
と戸惑ってしまう部分もある。


そんなんで昨日ご一緒した4時間で、
「あれ?」→「ん?」→「おや?」→「むむ?」→「むむむ?」→「むむむむっ!」
と心境が変化して、最後にババンと言ってしまった。
「今日のY子さん、嫌な感じがします」


そんな言葉を直接投げかけられたことが未経験のY子さん、目をまん丸にして無言で私の所感に聞き入っていた。
言いたいことを言うだけ言ってやっと口を閉じた私を待って、Y子さんは語り始めた。
そして知ったのは、どうやら彼女は何の気なしに話した言葉で、黙って人が離れていくことを幾度も経験したらしい。


「悪気はないのだけれど、どうも私は言い方がおかしいらしくて、お相手を怒らせてしまうみたい。
長男が私に似ているのよね…彼はとても優秀なゲームプログラマーで大手のゲーム会社に勤務していたの。
海外からも彼の作ったゲームは評価されて、彼と話したいと言って海外から色々な人が会社を訪れたらしいの。
けれど、彼はその場に出席できないのよ、上手く話ができないらしくて…。
彼が小学生の頃、彼を庇って私が担任に食ってかかった時、それを見ていた彼が言ったの、
『僕は今のお母さんと先生のやりとりを見て、普段僕が友達とどんなやりとりをしているか知ったよ』って。」


ふむ…。


「Y子さん、もしかして発達障害です?軽い…」
「そうかも知れないわね」
「子供は親を見て育ちますから…」
「…」
「あれです、関係ないですよ、何も言わずに離れていく奴なんて。Y子さんには理解のあるご主人とお子さん達がいるんだから」
「そうかしら?」
「そうですよ。言いたいこと言っちゃえばいいんです。理解してくれる人だけでいいじゃないですか?」
「そうね?」
「そうです。トランクルームの受付の時のY子さんは気遣いがあって感じ良かったから、きちんと仕事バージョンはあるじゃないですか?」
「そうよね?仕事の時はちゃんと出来るわ」
「それで十分です」


Y子さんは無邪気な子供みたいに純粋で、思ったことをそのまま口にする。
それを理解できれば、曖昧に濁したり二枚舌を巧みに使う輩よりも、ずっとずっと気持ちが良いのだ。
だって本音を言ってくれているのだから、裏を考えて悩む必要がない。
言われて嫌な感じがしたら、正直にその時の自分の感じた気持ちを口にすれば、すぐに伝わる。
表面だけ取り繕って、陰口を言い回る怖い人たちよりも、安心してお付き合いできる。


帰宅後、届いたY子さんのLINEに、
“Y子さん、嫌な感じがしますって、正直に言って貰って嬉しかったです”
とあった。
きっと人間関係でたくさん悲しい思いをして、今に至ったのだろう。


理解されにくいY子さんを囲む、6人の家族が彼女をしっかりと支えている。
Y子さんもそれに答えようと、一生懸命良き妻母でいる努力をしている。
愛ある素敵なご家族。
いつかお会いしたいな〜
今度はご自宅にご招待してくださるとのこと。


まぁ焦らず、ゆっくりとね。
この出会いを大切に育んでいけたらいいなぁ。


良き出会いがまた一つ増えて、充実した気分を味わった日。