遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

爬虫類

子どもの頃、同級の子らとどのように付き合って良いのか、よく分からなかった。

彼らと遊んでいても心から楽しいと思えないのだ。

話を合わせることすら努力が必要で、ちっとも楽しくないのに愛想笑いを浮かべることが苦痛だった。

 

私自身の本心は、誰かと一緒に過ごすよりも一人で過ごす時間の方が

ずっと気楽で楽しかった。

 

本を読むこと。

絵を描くこと。

空想すること。

 

近所にあった廃屋の草が伸びきったあの庭で、

寝転がって空を眺める。

まだ名を知らぬ虫に勝手に名称してみたり、

あの歌みたいに手のひらを太陽にかざし

生きている実感を味わってみたり、

頬に当たる風を目を閉じて感じてみたり。

 

一人でいると余計な心配事は全て消え去って、

音と皮膚感覚と想念だけになる。

 

 

いつだったか人と関わることも案外楽しいものだと知って、

気づいたら周りに人が溢れていた。

 

それから、どうしたっけ? 

一人、二人と消えていって、

あの人以外は誰も居なくなった。

 

 

今はどうかな?

あの人との会話も減って、

またあそこで人と繋がって、

けれど長続きしなかったのは私の中にある何か?

 

リアルな人は難しいよ。

すぐ隣に同じ柔らかな肉体があるってさ、

傷つけたり、傷ついたり、

そんなのがやけに生々しくて

 

やっぱり一人が気軽だって、

ここに戻って来るんだな。

 

 

爬虫類から哺乳類になって、

また爬虫類に戻るの?