遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

選ぶ?

とくに意識しているわけじゃないけど、人前でテンションが上がる傾向にある。幼稚園に上がる前の私はお調子者で活発、女の子同士でお人形さんごっこをするよりも男の子とヒーロー者ごっこをする方が好きだったから、軽躁チックくらいが私のデフォルトなのかもと考えてみたりする。

 

女の子なのに乱暴すぎるのでは? と心配した父は、知人に相談したらしい。その知人からカトリック系の私立女子校付属幼稚園を薦められ、私を入園させたという。お受験のための勉強は楽しかった(良くできると父が褒めるから)が、入園後のシスターの恐ろしさったらなかった。そして私はすっかり大人しい子供になった。その後、家の中のゴタゴタもあってか、暗さが増すばかりだった。けれど中学で動けなくなる(おそらく鬱)直前の一時期、お花畑的な少女趣味(これは軽躁状態か?)になったことがある。 


精神疾患が確定して20年、心の動きには敏感にならざるを得ない。4回も入院を経験すれば、馬鹿でも流石に学習する。これ以上の入院は懲り懲りだし、繰り返すほどに脳のダメージ感が半端じゃない。年齢的なものも大いにあるだろうが、理解力と記憶力の低下が怖いほどだ。再発防止にも用心するに越したことはないから、神経の高ぶりには細心の注意を払っている。


鬱のときより当然、躁のときのほうが格段に気持ちイイ。できれば躁で居続けたい。それでもそれが過ぎると、入院する可能性が高くなる。そうならないために高揚を極力抑えるしかない。感情や抑えるコントロールをしないと上手く生きていけないこの状況を、考え出すと気が滅入る。常にハイテンションの人って鬱陶しいだろうから、これくらいで良いんだと自らに言い聞かせる。

 

最後に入院したのは7年前。以来、睡眠前に炭酸リチウム100mgを1日1錠飲んでいる。これは18年に渡って私を診た、以前の主治医が処方していたものだ。今月転院したばかりの新しい主治医曰く100mgでは意味がないらしい。1日400mg〜600mgで調整していくのが炭酸リチウムの治療法とのことだ。400mgに増えたことで、これからは自己コントロールが容易になるかも知れない。本音を言えば容易くなどなりたくはない。少しくらい大変でも、自分の意志でコントロールしたいから。

 

以前の主治医はおそらく、服薬を嫌がる私の意思を尊重して処方していたのだろう。長く私を診た彼だから、数分の診察でも薬の量を増やす判断が可能と言う自信を持っていたのだと、今更ながら思う。

 

 


今日は午前中から就労移行支援サービスのプログラムを受けた。

今日のプログラムも私には刺激的で、どんどんテンションが上がっていった。ウキウキワクワクが止まらなくなって、楽しくて仕方ないのだ。2時間のプログラム終了後に所長との面談があり、興奮冷めやらない私は感想を聞かれて「楽しかったです」と子供みたいに即答してしまった。


ほんの少し眉が上がり気持ち目を見開いた所長の表情に、ハッとした私は慌てて言い募った。

「バカの一つ覚えみたいに楽しい楽しいと...お恥ずかしい限りです」

 

双極性障害を持つ人々を多く見てきた人だ。私みたいに感情が表出するタイプなら取り繕ってもお見通しだろう。

 

今日で体験プログラムは3回目。土日と置いて月曜日の体験後に入所本申し込みを決めるとのこと。

そうか、体験して選ぶのは私ではなくセンター側なのかも? と今更ながら思った。