遠い箱

精神障害を持つアラ60のヘンテコな毎日と、日々変化する心情を綴ります。

穏やかな日常。

昨日、久しぶりで帰宅すると夫は、少し嬉しそうに「帰ってきやがった」と言った。
「帰ってきたんじゃないよ〜少し荷物を取りにきたの」と私が言うと、ちょっとだけ引く気配があった。
「ぶーちゃん、一人の方が好き勝手にのんびりできるでしょ?」
「いや、俺は毎日仕事だからな」と夫。
「別々の方が私はリラックスできるかも?便秘が治っちゃった」と私。
「まぁ良いんじゃない?」と飄々と夫。
「ぶーちゃんも安い物件に引っ越したら良いんじゃない?4万円未満でシャワーがついてる物件があったよ?」
「本当か?」
「うんうん、フローリングよりも和室が良いんでしょ?」
「うん」
「フローリングのだと学生さん用っぽいので3万2千円の物件もあったよ?」
「畳が良い」
「だよね?見てみる?」
「いや、まだしばらくはここで良い」
「そうなんだ...けどここは来年の8月には出なきゃだよ?」
「...」


今、住んでいるマンションは来年の8月で建て替えのため、それまでに退室するよう言い渡されている。
なかなかに心配性の私は家主からこの話を聞いてすぐに物件を探し始めた。
条件の合う物件とは、そう簡単に出会えない。
夫は実にのんびり構えていて、ギリギリで構わないと言う。
意見が合わないんだな...。
夫は主張を通す方だから、私が折れるしかない。


今回の別居は互いが持っている不満の暖和に役立つようにも思えるし、ますます溝が深まるようにも思う。
どんな結果が待っているか、今のところ謎だけれど、こんな距離感はなかなかに心地よい。


今回、私は夫と二人で食べようと思って、大福もちを二つ買って帰ったけれど、夫ときたら剣もほろろに「いらない」ですと...。
まぁね、相手に合わせて嫌々食べて、後から愚痴るよりはいいですがね...たまには寄り添ってくれても良いのじゃない?
と、ぶうぶう不満が湧いてきた。
一緒に大福もち食べている図を思い描いてしまった私の勝手な空想が、いらぬ不平不満に発展するのだろう。
「あ〜ぁ...一緒に食べながら少し話がしたかったのになぁ」
そう私がこぼすと夫は、
「タイミングが悪い」と一言。
まま、おっしゃる通り、私の一存でございます。


「次は一緒にご飯を食べながら、もっと話ができたら良いなぁ」
私がそう言うと夫は無言で頷いた。



今回、帰宅したのは杖が必要になったから。
膝の痛みが日を追うごとに増している。
この状態では近々、杖なしでは歩けなくなるかも知れない。